【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
 嵐が去った翌日。

 気持ち良いくらい雲ひとつなく晴れ渡った青空の下で、珍しくバルコニーへと出た。金属製の柵の上に両手で頬杖をついたままのティタニアは、イグレイシス家お抱え騎士団の演習の様子を見た。

 イグレイシス家のお抱えとは言っても、敵国国境と領地が接して緊迫している情勢な訳でもなく、彼らは平和な領地内の治安維持が主な仕事だ。そのため所属している騎士たちは、選りすぐりの精鋭揃いとはお世辞にもとても言えない。むしろ俸給の額などの問題もあるので、色んな意味でそこそこの人材が望ましい。

 形だけのだらけた様子で打ち合いをしている訓練場の隅で、精鋭中の精鋭が配属される中央騎士団の魔騎兵であったプリスコット家の二人が、暇そうに欠伸を噛み殺しているのを見て、やっぱり昨夜の事は夢だったのかなとティタニアは首を捻った。

 朝目覚めた時には、当たり前の話だが彼らは傍には居なかった。けれど、嫌なことを思い出す嵐の夜にぐっすりと眠れたのは、それまで共に寝ていくれていたティタニアの母がいなくなってから、はじめての出来事であると言っても良い。

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