【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
「なんで、もっと早く言ってくれなかったんだ。贈り物の用意が間に合わない。ユージン、この辺りの宝石店を調べておいてくれ」

「あ、あのっ、大丈夫です。そういうのも、気にしなくて構いません。来て頂けるだけで嬉しいので」

 胸の前で手を振り、首を振ったティタニアにスノウは静かな口調で言った。

「……婚約者の居る好きな女に何か物を贈れる機会なんて、そうそうないんだ。もし要らないなら、捨ててくれ」

「スノウ様……」

 彼がくれた物に、そんなこと出来るはずがない。でも、身につけることもきっと出来ない。ジュリアンと結婚してしまった後で、真っ直ぐに愛を伝えてくれる彼を思い出せば、辛くなることは目に見えていた。

「お前に拒否されたくらいで諦められるなら、もうとうの昔に諦めている」

 そう切なそうに言ったスノウを見て、どうしても、その手を取って慰めてあげたいと思ってしまうのだ。自分の今立っている立場など、すべて、忘れて。

< 76 / 285 >

この作品をシェア

pagetop