【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
 部屋に戻りミアたちが慣れた手つきで旅行準備をしてくれている間も、ティタニアの気分は上がらないままだった。

 別に、ジュリアンとの婚約解消がショックだった訳じゃない。むしろあの彼と分かり合えないままに一生過ごさなくて良いと思うと、正直に言ってしまうと嬉しかった。お互いにとって良いことだとも思う。

 婚約解消が整い、一番の懸念事項は次の婚約者だ。

 けれど、この国での貴族令嬢は普通十五でデビューを済ませると、それから開かれる夜会への参加を重ね求婚者達を吟味し、その中から家にとって一番好ましいと思える人物と婚約をする。十八で成人し、結婚準備に入り二十までに結婚式をあげるのが一連の通例の流れだ。

 ティタニアは求婚者を募ろうにも、三年間も無意味な時を過ごしていたことになる。

 ジュリアンと婚約しそれを解消したということは、決して消せない過去だ。出会いを求めて夜会に出れば、必ず色眼鏡で見られてしまうだろう。世の中には噂に惑わされるようなそういう人たちだけではないことはわかってはいるが、どれだけの数の出会いを繰り返せば、そういった人に巡り会えるのかも、わからない。


 もちろん、この前に好きだと言ってくれたスノウを期待している気持ちもある。だが、自分からあんな風に拒絶してしまった手前、どんな風に彼との関係をはじめれば良いかは、ティタニアにはわからなかった。
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