愛毒、有名人はあの子。
教室に入っていくと、
『あの子、クラスの毒だよね~』とか
『制服キモ~い、ありえな~い』やら
なんやら、1番グサッときたのが…
『七沢夏純と同じ名前のクセして
あの格好とか、最低だよね~』って言葉。
っつーか、あたしですけど!
友達なんて、芸能界にしかいないし。
欲しいとなんて思ってない。
―――ただ…
あの人とは、1言
喋ってみたかった。
「峰くん…、落ちてたよ…」
“峰有斗(ミネアリト)”、クラスの委員長。
凄くしっかり者なのは知ってる、でもそれ以外に
彼の秘密事だって知っている。
「あ、悪いな。ありがと」
黒ブチ眼鏡で、目立たない存在のあなたは…
芸能界1のモデル
“峰有斗(ミネユウト)”だってことを。
あなたはまだ気づいていない。
あたしの正体も…、あなたの正体がバレているってことも。