愛毒、有名人はあの子。

そうしたら嵐の目の色が1瞬にして変わった。


ビクッ

「…ッ、なんでこうなっちまったんだ…、唯…」


走るのを止めて、海辺で泣くシーンは最初から

数字をとるための作戦らしい。
((監督の


あたしには演技には思えないホド心に響く。


嵐…、上手い…

凄く驚いた。なんて演技力なんだろう…


ちなみにドラマの中の唯っつーのはあたし。

嵐の片思い相手の役柄らしいゾ。


ちょっぴりヤだけどね。


…おぉう、そろそろあたしの番だ。

そう緊張していると、流莉さんが太鼓判を押してくれた。


「夏純、あんたならデキルよ!頑張りな!」

「は、はい!」

凄く心が暖かくなる。

流莉さんは、みんなの大切な存在なんだろうなぁ…


あたしは羨ましく思う。



―そして3.2.1 


「はぁ…、なんでだろ…こないなぁ…」


今は、嵐が演じる男がデートに誘ってきたが

なかなか集合場所にこないシーン。


海辺のすぐ近くの公園での撮影だったもんで、

通行人の目が恥ずかしかった。



「唯!待った?…ほんっとゴメン!」

「は?待ってないけど…」

「待ってないけど…何?」


あたしは少しもったいぶって嵐のことを惹く。


そのときの嵐の目は子犬みたいで少し『だけ』、

こっちが惹かれた。
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