秘密のノエルージュ

「菜帆」

 けれど、立ち上がる直前に大和に名前を呼ばれてしまった。スマートフォンの操作をはじめたと思ったら、実は真逆。大和は手にしていたアプリを終了させると、テーブルの上にスマートフォンを置いてしまった。

 そしてそのまま。
 真剣な、目で。

「下着のサイズ教えて」

 と。これまでのセクハラ発言と比較しても、かなりインパクトの強い問題発言をされた。

「………は?」

 間抜け……すっとんきょう、とも言うかもしれない。ぽかん、と口を開けて固まってしまう。

 あまりにダイレクトすぎるハラスメント発言に気を取られて忘れていたが、直前に話していたのは『クリスマスプレゼントに貰って嬉しいものを、大和の好きな人に直接聞いてみる』という話だった。

「いや、私に聞くんじゃなくて……」

 だから菜帆に聞かれても困る。

 しかも色んな過程をぶっ飛ばしすぎている。普通は『プレゼントにもらうなら何が嬉しい?』『下着とかは嫌?』の、最低二つの質問を挟んだ上での『じゃあサイズ教えて』じゃないだろうか?

 いきなりサイズから聞くなんて、大和はちょっと……いや、かなり変かもしれない。

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