夕立のあとには……
今まで、無視や陰口はあったけど、こんな風に物理的に攻撃を受けたのは、初めて。
なんで、私がこんな目にあうの?
ただ、飛鳥と幼馴染みで、朝、一緒に登校してるだけじゃない。
そんなことを思うけれど、思ってたところで、どうなるわけでもない。
私は、ハンカチを絞りながら、自分の体をさっと拭くと、掃除道具入れ横の雑巾を取りに向かった。
濡れた髪と制服のまま床を拭く。
パタン……
バケツと雑巾を片付け、掃除道具入れの戸を閉めると、どうしていいか分からなくなって、その場に立ち尽くした。
濡れたまま帰る?
いや、これじゃ、他のお客さんに迷惑だから、電車に乗れない。
保健室で着替えを借りる?
なんて説明する?
いじめられてますって言う?
そんなこと言えないし、言いたくない。
私は自分のロッカーを開けると体操着を取り出してトイレで着替えた。
濡れた制服をたたんで、ビニール袋に入れると、私は昇降口へと向かう。
髪はまだ濡れてるけど、仕方ない。
私が昇降口で靴を履き替え、校門へと向かっていると、後ろから声を掛けられた。
「日和!」
飛鳥。
振り返らなくても、声で分かる。
タッタッタッタッ
走ってくる足音が聞こえる。
こんな姿で振り返ったら、何を言われるか……
私は振り返ることもできず、ただその場に立ち尽くした。
「日和、そんな格好でどうしたんだよ? 髪も濡れてるし。何があった?」
私の肩に手を掛けた飛鳥は、私の顔を覗き込む。
全部、飛鳥のせい!
そう言えたら、どんなに楽だろう。
でも、悪いのは飛鳥じゃない。
それが分かってるから、私には何も言えなかった。
「ん、ちょっと」
私は、それだけ答えて、再び歩き始める。
けれど、肩をつかんだ飛鳥はその手を離そうとしない。
「日和、ちょっとじゃ、分かんないだろ。何があったんだよ」
その横を十数人の男子が、通り過ぎていく。
「飛鳥、行くぞ?」
そう声をかけるのは、飛鳥と同じサッカー部の男子。
「バカ、邪魔するなよ」
別の男子が、先に声をかけた男子の頭を小突く。
「飛鳥、先行ってるから、気にせず、ゆっくり来いよ」
2人目の男子がそう声をかけると、みんなわらわらと私たちを追い抜いて校門を出て行く。
なんで、私がこんな目にあうの?
ただ、飛鳥と幼馴染みで、朝、一緒に登校してるだけじゃない。
そんなことを思うけれど、思ってたところで、どうなるわけでもない。
私は、ハンカチを絞りながら、自分の体をさっと拭くと、掃除道具入れ横の雑巾を取りに向かった。
濡れた髪と制服のまま床を拭く。
パタン……
バケツと雑巾を片付け、掃除道具入れの戸を閉めると、どうしていいか分からなくなって、その場に立ち尽くした。
濡れたまま帰る?
いや、これじゃ、他のお客さんに迷惑だから、電車に乗れない。
保健室で着替えを借りる?
なんて説明する?
いじめられてますって言う?
そんなこと言えないし、言いたくない。
私は自分のロッカーを開けると体操着を取り出してトイレで着替えた。
濡れた制服をたたんで、ビニール袋に入れると、私は昇降口へと向かう。
髪はまだ濡れてるけど、仕方ない。
私が昇降口で靴を履き替え、校門へと向かっていると、後ろから声を掛けられた。
「日和!」
飛鳥。
振り返らなくても、声で分かる。
タッタッタッタッ
走ってくる足音が聞こえる。
こんな姿で振り返ったら、何を言われるか……
私は振り返ることもできず、ただその場に立ち尽くした。
「日和、そんな格好でどうしたんだよ? 髪も濡れてるし。何があった?」
私の肩に手を掛けた飛鳥は、私の顔を覗き込む。
全部、飛鳥のせい!
そう言えたら、どんなに楽だろう。
でも、悪いのは飛鳥じゃない。
それが分かってるから、私には何も言えなかった。
「ん、ちょっと」
私は、それだけ答えて、再び歩き始める。
けれど、肩をつかんだ飛鳥はその手を離そうとしない。
「日和、ちょっとじゃ、分かんないだろ。何があったんだよ」
その横を十数人の男子が、通り過ぎていく。
「飛鳥、行くぞ?」
そう声をかけるのは、飛鳥と同じサッカー部の男子。
「バカ、邪魔するなよ」
別の男子が、先に声をかけた男子の頭を小突く。
「飛鳥、先行ってるから、気にせず、ゆっくり来いよ」
2人目の男子がそう声をかけると、みんなわらわらと私たちを追い抜いて校門を出て行く。