一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
 なのに鷹也さんは許さないと言うように、どんどん言葉で攻めてくる。

「手は? キスはした?」
「……」

 突然、そんなことをストレートに聞かれたもので息が詰まった。

 キスも、なにもかも、してるはずはない。
 全部鷹也さんが初めてで、それ以外したこともない。するつもりも……ない。

 そんなことを考えていると、鷹也さんが、「気に入らないな」と呟き、私の顎を持つと無理やり自分の方を向かせる。そのまま、突然唇が奪われた。

「んんっ……!」

 無理矢理に口づけられているのに、たった一週間離れていただけの鷹也さんの唇の感触が懐かしくて泣きそうになる。

 頭の芯がぼうっとなってそのキスに応えそうになって我に返り、慌てて鷹也さんを押したけど、その手も鷹也さんに取られてベッドに縫い付けられた。男らしい熱っぽい目に捉えられると、それだけで自分の身体も熱にさらされる。


 私はこの人のことが好きだった。

―――今も、やっぱり好きだ。

 鷹也さんはのしかかったまま、上から私の目をじっと見捉えて口を開く。

「沙穂は俺の妻だ。身体も、心も、すべて俺以外に動かすことは許さない」

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