一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
「ごめん、驚いたよね」
「ほんとに……驚きました」
私が言うと、鷹也さんがクスリと笑う。
その声に思わず顔を上げると、真剣な目をした鷹也さんと目が合った。
「俺は沙穂と結婚したいと思ってるけど、沙穂はどう思う?」
その問いかけに、私は息をのむ。
(これは夢だろうか……)
でも、夢なら、夢であっても……私はこのチャンスを逃したくなかった。
まっすぐに鷹也さんを見て口を開く。
「鷹也さんは……私でいいんですか」
「あぁ。沙穂がいいから申し込んだんだけど嫌だった?」
「ぜ、全然嫌じゃなくて……いや、むしろ嬉しいって言うか」
「そうか。それは良かった。日本に来たかいがあったな」
鷹也さんはそう言って嬉しそうに目を細めた。
その顔を見て、私はまた彼のことを好きになったことに気が付いた。