一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
「もちろんいいよ。そうだ、プール付きのヴィラが近くに出てた。そこを買おう」
「へっ……⁉」
(なんで突然買うって話に……)
「いいですよ、買うなんて。もったいないし。普通に水泳施設に通いますから」
「だめだめ。そしたら他の男に沙穂の水着姿見せることになるだろ。そんなことになったら、俺がその男たちになにしちゃうかわからないし」
さらりととんでもない発言をした鷹也さんを凝視すると、鷹也さんは冗談ではない顔をしていて、思わず閉口する。
鷹也さんはそのまま話を進めていた。
「ちゃんと送迎もつけよう。そしたら好きな時に泳げるだろ?」
私は鷹也さんはきっと引かないだろうな、と思って苦笑した。
この人は案外、強引なところもあると、わかってきていたから。
「本当に、いいんですか?」
「もちろん。沙穂が泳いでるとこ、俺も見たいし」
鷹也さんはそう言うと微笑んで私の髪を撫で、口づける。「初めて俺にお願いしてくれて嬉しい。もっとわがまま言えよ?」
「そんなに私、お願いしてませんでしたっけ?」
「一度もない」
「そうでした?」
考えてみれば、私が言うより先、何でも鷹也さんが甘やかすからではないだろうか。
まるで毎日がクリスマスみたいなんだもん。
私はそう思い苦笑する。
そして、本当に次の日には、鷹也さんは近くのプール付きのヴィラを購入したのだった。