一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
「そうだな。俺はマザコンかもしれないけど、綺麗な人だったと思ってる」
私がなんだか気まずくなって目をそらしていると、鷹也さんは私の頬を撫でて続ける。
「話してくれればすぐ解決できることだったんだけどな」
追及の声が胸に痛い。
そうだ、話していればすぐに解決した問題だった。鷹也さんならすぐに……。
でも、なんですぐに言えなかったのかと言うと、不安だったからだ。
好きになりすぎて……。
「じゃ、邪魔になりたくなかったし……嫌われたくなかったんです。不安だった……」
「邪魔なんて、そんなこと思うはずないだろ。言っただろ? 俺は、沙穂が好きだった。今はもっと……」
そんなことを言われて、私は思わず鷹也さんの膝に乗ったまま向かい合う。
「……私、鷹也さんとずっと一緒にいていいの? 子どものことだって……できるかどうかわからないのに」
私が鷹也さんを見つめると、鷹也さんは目を細めて私の唇にキスをした。
「大丈夫だ、きっと子どものことは」
「そんなの……!」
私はぎゅっと唇をかむと、鷹也さんは、ふふ、と笑う。