一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない

 そして一週間、ずっと動き回り説得や根回しを続けて、やっとお見合いの相手に自分が収まることができた。

(お見合い相手が自分なら、絶対に沙穂は断らないだろう)

 あの日の彼女の話しぶりからも、そんな確信があった。


 ちなみに、その日まで相手が自分に変わったことは黙っていてもらった。
 沙穂の反応が楽しみだった。

 東京に飛び、帝国パークハイアット内にある料亭へ。

(あぁ、いよいよか)

 引き戸が開く。
 綺麗に着飾った沙穂がそこにいた。

 とても驚いた顔で……。

「はじめまし……て?」
「やぁ」

―――俺はこの日を待ってた。……きっと、あの日からずっと。
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