second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「も~う・・・恭・・・くすぐったい・・」
『逃げちゃダメ。』
「だって・・・」
ひとつになっていたふたりがふたつに戻った後。
名残惜しい俺は、今度は彼女の温かい背中を唇で味わう。
『じゃあ、こっち向いて。』
「・・・こう?」
くすぐったくなってきたらしい彼女を今度はハグで受け止める。
華奢なカラダがすっぽりと俺の腕の中に納まる。
照れくさそうに俺の胸板にぴったりと耳を当てる彼女の体温によってまた幸福感が押し寄せる。
『雅はあったかいな・・・』
「・・恭もだよ。」
『温かすぎて、起きるの面倒くさいな・・・でも、まだ朝じゃないからいいか・・・』
お互いに雅、恭と呼び合うのもしっくりくるようになった
こうやって布団の中で裸でハグし合うのも
目はちゃんと開いているのに
夢を見ているのかもしれない、俺
大学時代からの憧れの存在で、今もなお尊敬の対象である奥野さんが
俺の腕の中にいるから
俺が癒してあげたいと思って抱いた彼女なのに
逆に彼女の温もりで癒されている俺
『ここが・・無人島だったら・・な・・・』
「・・・無人島?」
その温もりのせいで、現実離れしたことを言いたくなった。
笑いながら俺を問い質す雅。
どうやら俺がそんなことを言う人間だとは思っていないようだ。
無人島なら
雅を傷つけるだらしない男もいない
彼女のココロの中に居座り続けている日詠さんもいない
いるのは、雅と俺だけ
ふたりきりで、誰にも邪魔されることなく
もっとお互いのことを知りたい
もっと深く求め合いたい
『ああ・・・雅と・・・ふたり・・きりで、ずっと・・・一緒に・・・』
そう説明したいのに、彼女の温もりは俺に眠気までもをもたらす。
雅が俺を呼ぶ声が遠くなっていく。