second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「新年あけましておめでとうございます・・・新しい年を迎え、当院は開院30周年を迎えます。それを機にますます発展する当院を目指し、職員の皆様から広く、病院改革案を募りたいと思っております・・・・・」
そして迎えた1月4日の当院仕事始めの日。
当院は年始年末は救命救急センター以外は休診するので、毎年、1月4日が平日の時はその日に病院全体朝礼が行われる。
全職員が集まるにはこの狭い会議室ではキャパシティーオーバーになるため、各職場から1人ずつ参加させられる。
今年の産婦人科部門は、勤務者の中からくじ引きではずれを引いたあたしが参加している。
正月を満喫したらしい病院長が今も声高らかにあたしたちに語りかけている。
しかし、朝礼の司会者が、病院長に早く終わってという合図を送ってからは、病院長はちょっと早口で話してくれて、ちゃんと時間内に朝礼は終わった。
朝礼後に早速、外来診察の予定が入っているあたしは朝礼をしていた会議室を早足で出ようとしていた。
それなのに
「あけましておめでとう。今年も宜しく。」
あたしは強く腕を掴まれた。
いきなりの出来事に驚きながら振り返るとそこには
『・・・・おめでとうございます・・・こちらこそ・・宜しくお願い致します。』
「そっけないね~、奥野先生は・・・雅はそんな人だったっけ?」
彼独特の低くて鼻にかかった声でそう言いながら、口角を上げ愉快そうな表情を浮かべた心療内科部長の寺川医師がいた。