second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
『御無沙汰しております。寺川先生。』
「えらく他人行儀じゃん、雅。」
『奥野です。』
掴まれたままの腕をすっと引き離しながら雅呼びを制止する。
この男は今まであたしのことをそう呼んだことないのに・・・
あたしのことを雅と呼び捨てしていいのは、
たったひとり・・・恭だけ
でも、もう恭に雅と呼ばれることはないだろうけど・・・
「じゃあ、奥野先生、話がある。」
『・・・・・うちの部長を通して頂いてもいいですか?』
「産婦人科部長に通してもいいの?・・・おとついだっけ?・・・奥野先生が病院玄関前に停めた車内で何をやっていたか・・までも・・・」
朝の忙しい時間に、しかも恭のことを考えてしまうようなやりとりをこれ以上したくなかった。
だから、さっさとこの場を立ち去ろうとしたのに、目の前にいる男は腕組みをしながらニヤリと笑いあたしの行く手を阻もうとする。
あたしの弱みを握ったみたいなことを口にしてまで。
『・・・・・・・・』
多分、元旦の夜、橘クンとクルマの中でキスしていたのを見られていたんだ
あたしに話があるってロクなことじゃないことぐらい想像はつく
しかもこの男は交流範囲が広い
もし、あたしのキスの相手が橘クンだったってバレていなければ
とりあえず放置しておいてもいいかも
でも、もし、橘クンってバレていたら・・・と思うと
あたしはもう何を言われてもいいけれど、
橘クンが色々言われるのは絶対にダメ
「じゃあ、昼飯を一緒に食べようか・・・久しぶりに奢るよ。」
『・・・結構です。自分の分は自分で支払いますから。』
「じゃあ、来てくれるってことだね。待ってるから。」
言質を取られる形でランチタイムの約束を取り付けられた。
弱みを握られているあたしは彼の誘いに乗るしかなかった。