second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結



『話を聞いたらすぐに退散しよう・・・』


モヤモヤしながら午前の外来診察を終え、寺川部長との約束を果たすためにカフェテリアを向かう。
カフェテリア前にある院内コンビニから、約束している相手の寺川部長が出てきて一緒に歩く。


「日替わりランチ、いつも頼むだろ?一緒に注文するけど?」

『いえ、結構です。日替わりは、今日は食べないので。』


先に食券自動販売機で食券を買おうとしていた寺川部長の親切ぶった声かけに、
はっきりと断りを入れてから別の食券自販機へ移動し、千円札を入れる。


あたしが日替わりランチをよく注文していたのは、1年前ぐらいの話
多忙にて昼食時間帯がズレたりするようになってから、このカフェテリアでよく食べていたのは山菜うどん。

今日もいつものように自販機の山菜うどんボタンを押そうとした時、うどんという文字から、橘クンと食べた伊勢うどんを想い出してしまって、あたしはそのボタンを押せずにいる。


「うどん、売り切れ?・・・でも売り切れランプ点灯してないけど。」

『・・・うどんじゃないんです。』

「どうした?そんなに深刻そうな顔して。」


あたしの弱みを握って脅すような真似をするくせして、こうやって気を遣ってくれる彼
彼のそういうギャップに嵌っていた時期もある
枕営業みたいなことをしている自分に、少しぐらいは自分のしていることは間違っていないという考えを植え付けるために、敢えて彼の長所を見つけようとしていた時期だ。


『カレーライスにしようと思って。』

あたしは彼のそういうギャップに引き摺られないように、何もなかったかのようにすぐさまカレーライスボタンを押し、彼と一緒に配膳レーンに並んだ。
そして、カレーライスを受け取ったあたしは彼に導かれる形で、彼と横並びでテーブルに座った。


「早速だけど、俺とヨリ、戻さない?」

カレーライスをスプーンで掬って口に運ぼうとしているあたしの耳元でそう囁く彼。



『もう懲りたはず・・・なんじゃないですか?』

「懲りたとか、人聞き悪いな~。」

『あの件以来、あたしとのことは懲りていらっしゃるかと・・・・てっきりそう思っていましたけど。それに奥様は寺川先生のことをとても大切に思われていると思いますけど。』

「そうかもしれないけれど、やっぱり退屈なんだよね・・・それに奥野さんとはまだ今も利害が一致しているはずだけど。」

『・・・・・・・・』

「臨床心理士、活躍してくれているでしょ?産婦人科で。」



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