second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「どういう意味も何も・・・その言葉通りですが。」
「なんだと?・・・こうやって邪魔をするということは、今後どうなるかわかるよな?」
明らかに怒気を含んだ問いかけをする寺川部長。
それに負けないぐらいの鋭い目つきで橘クンも彼に向き合っている。
「ええ。奥野さんを困らせるようなことをされたくなければ、ここから去れってとこですよね?」
「・・・そういうことだ。」
「できません。ここを去ることは。」
「なんだと?」
「奥野さんを・・・雅を守るのは俺だけだからです。」
夢を見ているのかもしれない
また橘クンに雅と呼ばれる日が来るなんて思ってもみなかった
しかもあたしを守るのは俺だけって
そんな言葉、なんのしがらみもない状況だったら本当に幸せだと思うだろう
でも、あたしは橘クンに守ってもらえる資格なんてない
「お前に何ができる?」
『・・・寺川先生は何ができますか?雅のために。』
寺川部長に挑戦的な橘クンを守ってあげる術もあたしにはない
橘クンに無理して欲しくなんかない
有能な彼は周囲に敵を作ってはダメだから・・・
「うちの臨床心理士をこれまで通り産婦人科へ派遣する。ただし、橘、お前がこうやって俺と雅の関係に立ち入ってくるのなら話は別だ。」
「臨床心理士を産婦人科から撤退する・・とでも?」
「ああ・・・お前次第ってワケだ。わかったら、今すぐに言うことを聞け。それが雅のためであり、お前のためだ。」
寺川部長の言う通り、橘クンがここで身を引けば彼は橘クンに制裁を加えるようなことはしないと思う
寺川部長のように、臨床心理士の人事権イコール病院上層部だから手にしている武器を利用できる立場にはどうしても敵わない
それがただの、役職に就いていない勤務医であれば尚更・・・
だからもう
橘クンは今すぐにでも身を引いて欲しい
寺川部長がその気になったら
ただの勤務医であるあたしも、そして、橘クンも
露頭に迷うことなんて容易に起こってしまうことなんだから
『橘クン、もういいか』
「周産期センター設立に伴い、産前産後の母親やご家族の心理ケアを充実させるために、専属の臨床心理士を雇用して頂くことになりました。」
あたしの制止を遮るように橘クンは声を重ねた。