second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結


「で、おまじない・・・どうなの?」

多分、今度こそちゃんと彼の質問に答えないと頬を包んでいる手から解放されない
甘いおしおきってとこ


『ひとつめのおまじないの・・・あたしは他の誰のものにもならない・・・は・・・』

「今、俺が阻止しちゃった。」

『そ、そうだね・・・。』


屈託のない笑顔で口にされた“阻止しちゃった。”
かわいい・・なんて思ってしまう
でも、よく考えると、この人に怖いものなんかない気がしてきた


「ふたつめは、覚えてる?」

『覚えてる・・・みやびは2番目の恋が絶対に・・・最後の恋・・・になる
・・・でしょ?』

「それも叶いそう?」

『・・・叶わない・・・・』

「・・・やっぱり俺じゃ、ダメ・・か・・」

『そうじゃない。』

「じゃあ、なんで・・・」


今日、初めてみる橘クンの不安そうな顔。
あたしの頬に当てていた彼の手までも離れてしまった。

今日だけでもあたしは様々な橘クンを目の当たりにしている
・・・冷静に寺川部長に向き合う彼
・・・寺川部長のちょっとおふざけまじりの内緒話に眉間に皺を寄せる彼
そして
ふたつめのおなじないは叶わないとあたしが言ったのを聞いて不安そうな表情を浮かべる彼

それらどれに対しても、あたしのココロは今までになかったぐらい揺さぶられている

こんなことは彼以外にはきっと誰もできない


『橘クンへの恋心は、確かに順番としては2番目かもしれない。でも・・・』

「でも・・・?」

『でも、この恋のクオリティーは2番目じゃなくて、間違いなく1番なの・・・』

「みやび・・・」

『だから、ふたつめのおまじないは叶わない・・・あたしの中では、1番のこの恋が最後の恋になるから・・・』



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