second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「どういう意味だ、橘。」
『どういう意味も何も・・・その言葉通りですが。』
「なんだと?・・・こうやって邪魔をするということは、今後どうなるかわかるよな?」
“邪魔者は消し去れ”
カフェテリアで奥野さんにそう言った彼
間違いなく俺のことを言っていたのだろう
俺が困ることは、奥野さんを困らせるようなことをこの男にされること
イコール 臨床心理士派遣を取りやめにすることだろう
権力は人を困らせるために利用するものなんかじゃない
『できません。ここを去ることは。』
「なんだと?」
『奥野さんを・・・雅を守るのは俺だけだからです。』
それは大切な人、守るべき人達のために利用するもの
今、この男が持つ権力を利用するということは
臨床心理士によるケアを受けているまたは受けようとしている患者さん達を見捨てるということ
そして、それを引き起こしてしまったのは自分のせいだという想いを奥野さんに抱かせるということ
そんなのは絶対に許せない
「お前に何ができる?」
『・・・寺川先生は何ができますか?雅のために。』
「うちの臨床心理士をこれまで通り産婦人科へ派遣する。ただし、橘、お前がこうやって俺と雅の関係に立ち入ってくるのなら話は別だ。」
確かに心療内科医師としての実績は素晴らしいものがあると思う
彼に救われてきた患者さんも数多くいるのだろう
現在の産婦人科患者さんにも
でも、これ以上、奥野さんのココロを利用した上でそれらが成り立つことだけは見逃すわけにはいかない
『臨床心理士を産婦人科から撤退する・・とでも?』
「ああ・・・お前次第ってワケだ。わかったら、今すぐに言うことを聞け。それが雅のためであり、お前のためだ。」
俺が奥野さんから身を引くことが
俺のためになんか絶対にならない
俺のココロの中に居続けてずっと想い続けた相手である奥野さん
彼女の夢を共有して、一緒に歩むことができるところまであともう少し
そのためにここまでやってきたんだ
だから、寺川部長の脅しまがいの要求に
決して怯むわけにはいかない
そのために俺は今、ここで自分が手にした権力を利用する
『周産期センター設立に伴い、産前産後の母親やご家族の心理ケアを充実させるために、専属の臨床心理士を雇用して頂くことになりました。』
「なんだと?なんでお前がそんな情報を?」
『僕が周産期センターのセンター長就任を引き受けたからです。』
臨床心理士による心理ケアを必要としている患者さんが安心できる環境を継続させるため
そして
自分の夢にもなりつつある奥野さんの夢を叶えるために