second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
俺の突然の告白に奥野さんだけでなく、寺川部長も驚きを隠せていない。
なぜなら周産期センターについては、まだ東京医科薬科大学に在籍中の日詠医師夫妻が関わっていることから院内でも公表することができない案件になっている。
それを知っているのは、院長、副院長と周産期センター看護師長に就任する佐藤さん、そして、センター長になる俺だけだからだ。
時間があれば患者さんを診て治療をする
それに自分の時間を使いたい
そう思っていた俺だから、周産期センター長という責任の重い役職を引き受けたことは自分自身でも驚いている
変われなかった自分を変えたい
そう思わせてくれたのも奥野さん
その奥野さんが背負った“患者さんのために自分のプライベートを利用する”
という過去
その過去を後悔させないためにも
俺は動く
俺の前に立ち憚ろうとしている頭のいい寺川部長に立ち向かうために
自分が今持っている切り札を最大限利用して
『ですから周産期センター長として、改めて寺川心療内科部長にお願いがあります。』
「・・・なんだ?」
『心療内科所属の臨床心理士さん達が現在介入している患者さんへのケアはそのまま継続して頂いて欲しいということ、そして、今後、彼らに周産期センター専属の臨床心理士のフォローをして欲しいということです。』
彼女が自分自身を捧げてまで作った産婦人科への臨床心理士介入という道をこれからも活かしていけるようにするために動く
そんな彼女の過去も彼女の誇りとなる
それが彼女のココロの傷を癒してくれる
そう信じているから・・・
「多分、この男・・・橘クンはキミのために周産期センター長を引き受けた。」
「えっ?」
「キミの、産婦人科の患者さんの心のケアを充実させたいという熱意を、彼が周産期という、産婦人科も小児科も関与する領域で叶えようとしてくれているんだ。」
「あたしのため・・・に・・・?」
「そうでなきゃ、ただでさえNICUで忙しいのに、周産期センター長を兼務するなんてハードワークはしないだろう。俺も管理職だからわかるしな。」
やっぱり寺川部長は頭がいい人
そう思った
隠し続けてきた俺の考えだって手に取るように理解できてしまうのだから
だから奥野さんが彼の要求に応じたのもわかる気がする
そんな頭のいい彼が間違えたのは権力の使い方
ただそれだけなんだと改めて思った
「雅はいい女だ・・・油断していると他の男に持っていかれるからな。今までは散々、俺が威嚇して追い払っていたけど。」
多分、今回、彼が奥野さんと寄りを戻そうと思ったのも、
彼女がダメ男に食われて欲しくないという親心にも似た想いがあったのかもしれない