second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結


『雅・・・』

「ん?」


とうとう本当に想いが通じ合った奥野さんと俺

いつもの白衣姿の彼女は凛としているのに
俺の腕の中の現在の彼女は首を傾げて俺を見上げていて、ただただかわいい
もう絶対に手放したくないぐらい


そんな彼女から、“1番のこの恋が最後の恋になるから”と俺が彼女にかけたふたつめのおまじないが叶わないと言われた俺は、

『雅・・・よっつめのおまじない、かけてあげる。』

もうひとつ、叶えたいおまじないを彼女にかけることにした。



俺の腕の中でまた首を傾げながらも嬉しそうな彼女。
新しいおまじないを楽しみにしているかのように。


今まで俺が彼女にかけた、具体的でないおまじないとは異なる・・・今度こそ、はっきりと、具体的に、誰が耳にしてもわかるおまじない

『・・・雅は・・・橘雅になって橘恭矢に公私に渡って、一生愛し抜かれる。』

俺を見上げながら耳を傾けている彼女にそれを丁寧に唱えた。




「・・・橘・・・雅・・・」



目を見開いて、ぽつりとそう呟く彼女。
新しいおまじないはどうやら想像していなかったようだ。

さすがに、いきなり結婚したいを臭わすようなことを口にしたのは性急すぎたかと反省した俺。


ちょっと調子に乗りすぎた自分が恥ずかしくもなり始めた頃、

「恭に、おなじない、かけてあげる。」

雅の、あったかい声が聞こえた。



『雅・・が?』

「うん。」

いつもは冷静沈着な大人なイメージの彼女が口にするとは思っていなかったから今度は俺が驚く。


『どんなおまじない?』


彼女から初めてかけられるおまじない

俺が結婚したいことを臭わすようなおまじないをかけて、ちょっと微妙な空気になったから、きっとそれをさりげなく解いてくれるようなおまじないなんだろう


【周産期センターはたくさんの命とココロを救う】・・か?

それとも

【来年こそ伊勢神宮外宮に一緒に参拝に行ける】なのか?


ダメだ
本当はそんな身近なおまじないなんか想像したくない

性急すぎたと反省しているはずなのに
彼女のおまじないが、俺との未来に繋がるおまじないであって欲しい
やっぱりそう思ってしまう

そんな期待を胸に抱きながら彼女に目をやると
彼女は目を閉じて、ふうっと小さく息をついてから再び目を、そして口をも開いた。



「奥野雅は・・・橘雅になって、橘恭矢と公私に渡って一生、添い遂げることを誓います。」


澄んだ瞳になった彼女は俺が想像したかったおまじないを俺の腕の中で丁寧に言葉にしてくれた。


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