second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
『橘クン・・・いや・・橘先生。』
「はい。」
『ベビーを絶対に助けて。お願い。』
「僕のプライドをかけて、絶対に助けます。新生児集中治療室医師として、そして・・・」
『そして・・?』
「奥野さんの・・・パートナーとしてのプライドをかけて。」
ベビーの治療のために先を急ぐ彼はあたしに力強くそう告げ、命のリレーの第二走者のはじめの一歩を踏み出そうとした。
そんな彼の背中をあたしも押してあげたくなった。
彼があたしにしてくれたように。
『恭!!!』
「・・・えっ?」
「待ってる。あたしも。」
そう言いながら、あたしは
『これ使って、待ってる。橘クンが・・・恭が帰ってきてくれるのを。』
彼から預かっているけれど、まだ使ったことがなかった彼の自宅の合鍵を彼のほうに掲げて見せた。
『帰ってきたら、たくさん甘やかしてあげる・・・もう無理って恭のほうが白旗挙げるぐらい・・』
「・・・みやび・・・それ、楽しみすぎる・・だろ。」
『・・・だから、だから・・せいいっぱい頑張ってきてね。』
「承知致しました、雅先生!」
彼はベビーの体を軽く支えているほうの右手の親指を立てて見せてから、NICUのすぐ隣に設置された、先天性心疾患児専門治療室となる周産期センターハートケアルームへ向かって歩き出した。
その背中が、今まで見た中で一番頼もしい彼の後ろ姿だった。