second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
『橘クン、なぜ着物?』
「初詣に行く格好、一緒にしてみるのも良いかと思いまして。」
『一緒に・・・?』
「ハイ。釣り合うほうが良いかと。奥野さん、着物、似合いますよ、絶対。」
寝ぐせがついたところを見たことがない清潔感のある黒髪短髪の彼
袷(あわせ)の着物が絶対に合う
黒でも紺でも・・・ダークグリーンでも似合いそう
自分の着物姿よりも橘クンの着物姿のほうが気になってしまう
『ぜ・・絶対は言い過ぎだと思うけど・・・たまにはいいかも。』
「じゃあ、着せてもらいましょう。」
『えっ?あたしが橘クンの?・・橘クンがあたしの?』
クスっ!
『ち、違うの?』
「お店の人に着せてもらうので大丈夫ですよ。俺も、奥野さんも。」
『そ、そうだよね。』
お互いに着物を着せ合いっこするなんて
・・・変な想像してしまった
いい年してホント恥ずかしい・・・
今朝は今のこの状況すら全く想像していなかったのに
「お客様~!!!!男性のお客様は右側のお部屋へ、女性のお客様は左側のお部屋へお願いします。」
今のこの恥ずかしさをどうしたらいいのかわからなかったあたしに、店員さんの救いの声が聞こえ、橘クンから逃げるように店員さんの後について行った。
「お客様の旦那様、背が高くてハンサムですごく素敵な方ですね。」
『旦那様?!・・・いえいえ違います!!!!』
その後も逃げ込んだと思った衣装部屋でも、相手は異なるけれどドギマギする時間は続いていて。
橘クンに魅了されてしまった様子の店員さんはうっとりしながらあたしに話しかけてきた。
「えっ?違うんですか?それは失礼致しました。絵になる大人の美男美女だったもので・・・」
『いえ、そんな・・・・』
こんな場所でも橘クンに心を奪われる人がいるなんて
しかもあたしの旦那様なんて勘違いされてしまったなんて
あたし、ホントに今、ここにいてもいいのか?と思ってしまう
でも、せっかく橘クンが今日は楽しもうって言ってくれたんだし、知り合いだらけの名古屋ではなく、遠く離れた伊勢まで連れてきてもらったんだから楽しまなきゃ・・・