second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
『・・・バレました?』
「初詣ってどこ?」
大須観音へ行くことも考えた
でも、大須観音ならいつでもいける
だから、彼女に少し眠ってもらっている間、クルマを走らせて出かけてもいいかも・・・
“遠い~!!!!”って目を覚ましたから彼女に怒られるのも悪くない
そういう彼女をも見てみたい気もする
そう思った俺は“内緒です”と言って行き先を告げずに、“神宮”という曖昧なヒントだけを伝えた。
そして彼女が少しでも眠りやすくなるように準備しておいた温感アイマスクを彼女へ渡した。
それを受け取ってくれた彼女はすぐに眠ってくれると思った。
それなのに、
俺に甘やかされている・・とか
彼女自身の服装がお正月らしくない・・とか
助手席で眠られると、俺が眠くならないか?・・・とか
俺にとってはかわいい発言にしか聞こえないことばかりを口にしている。
これ以上、彼女のそういう言葉を聞かされると、安全運転どころではなくなりそうなぐらいデレデレになりそうな自分が予測された俺は
『俺は当直中、結構寝ていましたから大丈夫です。だから奥野さんは安心して寝てください。ちゃんと安全運転しますから。』
ちょっと強引だなと自覚しながらも、彼女にそうお願いした。
俺のその言葉に安心したのか、隣からは温感アイマスクをパッケージから取り出すような小さな音が聞こえてきて。
「じゃあ、お言葉に甘えて、おやすみなさい。」
『おやすみ・・・なさい。』
彼女に遠慮気味にそう言われた俺は一瞬だけ彼女のほうへ脇見をして、“まずはゆっくり休んで欲しい”という想いを込めた“おやすみ”を言ってから、再び前を向いてクルマをさらに前へ進めた。
『お正月の格好じゃないって・・・そういう格好ってどんな格好なんだろう?』
彼女の眠りを妨げないように、FMラジオの音量を小さくする。
助手席で何もしゃべらなくなった彼女に、ちゃんと眠ってくれたみたいだと安堵しながら名古屋市内で高速道路に入り、道路情報看板に目をやる。
『伊勢道、やっぱり渋滞か・・・』
予想通りの渋滞情報にがっかりすることなく運転を続ける。
途中、渋滞に入り、ハザードランプを点滅させてクルマを減速していくととうとう停車してしまう。
そのタイミングで助手席の彼女の様子を窺う。
定期的に胸郭が上下する動きが見られ、ちゃんと眠っていることを確認。
『当直中、あまり寝ていなかったのか?』
『・・・寝顔、かわいいんだな・・・』
ほんの少し開きかけている彼女の唇に愛おしさを感じずにはいられない。
クリスマスイヴに彼女の同意なくキスしたそれ。
冷たかったそれが温かくなっていく感覚が今もまだ自分の中に残っていて、またキスしたい衝動に駆られる。
あの時は同意なしでキスしたことを反省したはずなのに・・・だ・・・