義理の兄妹で恋をするのはフィクションの世界だけだと思っていた





ぎこちない空気のまま迎えた夕食は、のんちゃんお手製の生姜焼きだった。

ご飯が進んで止まらない味付け。でも食べすぎたらこの後のことに支障が出るんじゃないか、と頭の中がいっぱいで。


「………」


ふと気が緩むと、下半身が熱を持つから自分が嫌になる。


「美味しい?」

「うん。さすが俺のお嫁さんって思う。」

「ありがと」


甘い雰囲気の漂う中、全て食べて最後にデザートのイチゴを手に取った。大きくて真っ赤なイチゴを口に運び、果汁で濡れる唇が色っぽかった。

白くて細く、しなやかな指。微かに主張する色っぽい首元のホクロ。


(………うわ…可愛い…。触りたい。キスしたい。)


チラチラとバレないように見ている自分は正真正銘のムッツリスケベだ。




















「お風呂、入ってくるね。」

「うん」


湯船に浸かって念入りに身体を磨いて出てきた俺に、のんちゃんは言う。


「……駆くんのベッドで待ってて。」


俺が忙しない心境でいることを、のんちゃんは知らない。

買ってきた避妊具を棚から出して、深呼吸をしながら落ち着こうとリラックスした。

今日も沢山働いた。ずっとのんちゃんのことでいっぱいだったけど。ドッと疲れが身体中を侵食して、自室のベッドの上で羽を伸ばす。




少しだけ目を瞑って、深呼吸して、心を落ち着かせて…。




なんていう考えを持った自分を恨みたい。



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