義理の兄妹で恋をするのはフィクションの世界だけだと思っていた

「…………」


それだけで、いとも簡単に理性が溶けて無くなっていく。


「………んっ…。」


気づけば、吸い込まれるような触れるだけの優しいキスをしていた。

動揺のこもった声音が漏れる。それをお構いなしに何度もキスを繰り返した。


「待っ…て……。今日は…もぉ…」

「待たない…。待てそうにない…。」



ごめん。のんちゃん。



「……………………好きだよ………。」




どこまでのめり込んだら気が済むんだろう。
果てしなくて、心が深く堕ちていくばかりで。



「今から…したいんだけど…」

「………」



俺はズルい人間だ。



「………………好きって気持ち、沢山込めるから………」

「………」

「……愛されてるって…ひたすらに感じて。」


熱っぽい視線を送りながら、のんちゃんを組み敷く。
見れば寝巻きもいつもと違って、優しいピンク色のもの。初めて見た。肌触りは良いし可愛い。

その一つ一つの特別感がくすぐったくて、より一層、興奮が高まってしまう。


「…………気持ちよくできるように頑張るね」


ハジメテにドギマギしつつ、唇を重ねながら一つずつボタンを外していく。徐々に見えてきた肌に高揚を覚え、真っ白な首筋に舌を滑らした。


「ぁ…」


甘ったるい声が心地いい。キュンと胸が締まる。

首筋のホクロを見つめて舌先で舐めた後、無意識に吸い付く。


《ぢゅ…》


「んっ…いた…」

「っ…ごめん。」

「大丈夫…」


施した跡を一瞥すると独占欲が満たされて、なんとも言えない気分の良さに浸る。

ボタンを外し終えて、右肩から順番に脱がしていく。陶器みたいに滑らかな皮膚が視界を埋め、心拍数と共に呼吸が上がった。


「……っ………下着…つけてないの…？」

「いちいち訊かないで…」

「ごめん…」


直視できなかった。いっぱいいっぱいになって慌てていることがバレないように何気ない表情を作るけれど、恥ずかしそうにしているのんちゃんを見ると一緒になって羞恥心が込み上げてきた。


「心臓つぶれそう…」


真っ赤になってのんちゃんは顔を手で覆う。

その腕の隙間から、キャミソールに目がいった。胸の頂きがぷっくりと形を主張している。


ゴクリと俺は生唾を飲み込む。


「心臓潰れそうなのはこっちなんだけど…。」


控えめに立つ耳。その耳たぶを口に含んで柔らかく吸い上げると、のんちゃんは身体をピクリと震わせる。


（気持ち…いいのかな…？）


何処までも童貞臭い自分が惨めだ。


「………好きだよ。」


耳元で囁いて、ひたすらに愛撫した。