【現代恋愛】【完結】執着的な御曹司は15年越しの愛を注ぐ
 普段着ている服に比べればいいお値段だったけれど、ドレスもパンプスも30%オフ。
 正直、決してお金持ちではない私には素敵なものが安く買えるのは嬉しかった。

「ドレスいいのが見つかって良かったな」

「うん、ありがとう! 私一人だったら多分最初に着たやつにしてたよ」

 私より一つ前に会計をしていた人が、私が最初に試着したドレスと同じものを買っていた。見えてしまった価格は今日購入したドレスの定価の3倍だった。それを買っていたら靴を買うお金は残ってなかったと思う。

 まさか、そこまで考慮して選んでくれたの?

「あれも似合ってて可愛かったけどな」

 まさかね、とへらへらしていたら、健二くんの思ってもいなかった言葉に固まってしまう。
「あっ、そのっ、あれだ、誠なら、お前が着ればなんでも似合うとかいいそうだなって……あっ、オレ電車で帰るから、じゃあな!」

 私の反応に慌てて健二くんはデパートか直通する改札の向こうに走っていってしまった。

「あっ、ごめんねっ、今日はありがとう!」

 私が変な反応をしたせいで健二くんを困らせてしまった。わざわざ買い物に付き合ってくれたのに申し訳ない。

 ……ん? 今、九条さんのこと、誠って呼んでよね? まるで友達みたいに……。

 まさか知り合いなの?

「って、あれ! こんな時間!」
< 20 / 145 >

この作品をシェア

pagetop