教育的(仮)結婚~残念御曹司(?)のスパダリ育成プロジェクト~
店を出た後、私たちはタクシーに乗った。向かっているのは、どうやらローマの郊外らしい。
やがてどこまでも続く高い煉瓦塀が見えてきて、車は瀟洒な鉄製の門の手前で停まった。
「降りて」
林太郎さんに促され、私は彼と並んで門へと歩み寄る。
― Giardino di Felicita ―
その上に記された飾り文字を目にした時、私は息が止まりそうになった。
「まさか」
「フェリチタ庭園――君が一番好きで、ずっと来たがっていたのは、ここだろう?」
「ええ、だけど今日はお休みのはずじゃ……」
フェリチタ庭園は州の天然記念物に指定されている。
すばらしい景観を保護するため開園日が決められているし、人気があり過ぎて予約を取るのも本当に難しいのだ。
その時、白い麻のジャケットを着た中年の男性が姿を見せ、門を開けてくれた。
「ようこそ、シニョール・ヒガシノ。そしてシニョリーナ・キリシマ。あなた方を心から歓迎いたします」
彼はマッシモと名乗り、フェリチタ庭園の園長だと自己紹介した。
私は園長自ら門を開けてくれたことに驚いたが、なんと彼自身がこれから園内を案内してくれるというのだ。
「まあ、本当ですか?」
「なにしろ今日は休園日で、職員はおりませんからね」
どうやら私たちは、閉演しているフェリチタ庭園を今から貸し切り状態で楽しめるらしい。
やがてどこまでも続く高い煉瓦塀が見えてきて、車は瀟洒な鉄製の門の手前で停まった。
「降りて」
林太郎さんに促され、私は彼と並んで門へと歩み寄る。
― Giardino di Felicita ―
その上に記された飾り文字を目にした時、私は息が止まりそうになった。
「まさか」
「フェリチタ庭園――君が一番好きで、ずっと来たがっていたのは、ここだろう?」
「ええ、だけど今日はお休みのはずじゃ……」
フェリチタ庭園は州の天然記念物に指定されている。
すばらしい景観を保護するため開園日が決められているし、人気があり過ぎて予約を取るのも本当に難しいのだ。
その時、白い麻のジャケットを着た中年の男性が姿を見せ、門を開けてくれた。
「ようこそ、シニョール・ヒガシノ。そしてシニョリーナ・キリシマ。あなた方を心から歓迎いたします」
彼はマッシモと名乗り、フェリチタ庭園の園長だと自己紹介した。
私は園長自ら門を開けてくれたことに驚いたが、なんと彼自身がこれから園内を案内してくれるというのだ。
「まあ、本当ですか?」
「なにしろ今日は休園日で、職員はおりませんからね」
どうやら私たちは、閉演しているフェリチタ庭園を今から貸し切り状態で楽しめるらしい。