教育的(仮)結婚~残念御曹司(?)のスパダリ育成プロジェクト~
「うーん、亜美ちゃんが淹れてくれるお茶は本当にうまいなあ」
林おじさまは満足そうに目を細め、お茶に添えられていた小粒のチョコレートを口に運んだ。見かけによらず、甘いものがお好きなのだ。
「この苦さがチョコレートによく合うんだ」
「どうもありがとうございます」
「今日は昔みたいに亜美ちゃんがいてくれてうれしいよ」
私の母は中学校で英語を教えているので、店に出ることはあまりない。
そのためか、よく父のそばで遊んでいた私が、時間があれば簡単な接客を手伝うようになった。
「おや」
お茶を飲み終えたおじさまが、ふと真顔になった。
「気のせいかな。亜美ちゃん、少し元気がないんじゃないか?」
「あ、い、いえ、そんなことありません」
「もしかして今までいた国がなつかしくなったのかな? 亜美ちゃんのことだから一生懸命やっていただろうし、あっちは楽しかったんだろう?」
私があいまいに微笑むと、林おじさまは肩をすくめて苦笑いした。
「実はうちのドラ息子も同じなんだ。勝手に海外で就職して、ずっと音沙汰なしだったくせに、一週間前に急に帰ってきてね。そしたら今度はなんだかずっとぼんやりしていて……まったく困ってしまうよ」
「まあ、そうなんですか」
林おじさまは満足そうに目を細め、お茶に添えられていた小粒のチョコレートを口に運んだ。見かけによらず、甘いものがお好きなのだ。
「この苦さがチョコレートによく合うんだ」
「どうもありがとうございます」
「今日は昔みたいに亜美ちゃんがいてくれてうれしいよ」
私の母は中学校で英語を教えているので、店に出ることはあまりない。
そのためか、よく父のそばで遊んでいた私が、時間があれば簡単な接客を手伝うようになった。
「おや」
お茶を飲み終えたおじさまが、ふと真顔になった。
「気のせいかな。亜美ちゃん、少し元気がないんじゃないか?」
「あ、い、いえ、そんなことありません」
「もしかして今までいた国がなつかしくなったのかな? 亜美ちゃんのことだから一生懸命やっていただろうし、あっちは楽しかったんだろう?」
私があいまいに微笑むと、林おじさまは肩をすくめて苦笑いした。
「実はうちのドラ息子も同じなんだ。勝手に海外で就職して、ずっと音沙汰なしだったくせに、一週間前に急に帰ってきてね。そしたら今度はなんだかずっとぼんやりしていて……まったく困ってしまうよ」
「まあ、そうなんですか」