お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「よく、あなたの話を聞かせてもらってたんです。私も、あなたのことを本当の姉のように思っています。」
真岸が最後にプロポーズをしていたという事実を知った咲は黙っていようと思っていた話を始めた。

「すごくきれいな人で、自分にはもったいないって言ってました。あなたのこと。どうして自分があなたと付き合うことができているのかわからないって。」
真岸の彼女は微笑みながらも涙を流し続ける。
「事件が起きる前に、真岸さんと話をしたんです。」
「え?」
咲は遺影の中で微笑む真岸をみる。

「付き合って5年、仕事ばっかりで苦労を掛けたから、少しの間仕事を休んであなたの為だけに時間を使いたいって。」
「・・・」
声を漏らして泣く真岸の彼女。
「有休の申請をしたいっていう話でした。」
「・・・知らなかった・・・」
「私の責任です。本当に申し訳ありません。」
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