俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
その後
グラウンドに戻った私。
ママ達の前に進む
桜牙コーチの
勇ましい姿が目に映り
『文句を
言うつもりなのでは?』
ヒヤ汗が首筋をタラり。
桜牙コーチは、腰に手を当て
仁王立ち。
悪意を込めた目で
ママ達をぐるりと見まわすと
「母親同士しゃべりたいなら
カフェにでも行けよ。
子供達が集中できなくて
迷惑だっつうの!」
反抗期まっただ中
高1らしい
オラオラモード増し増しで
「グラウンドの外で
くっちゃべってんの、
ほんと邪魔なわけ!
そういうのわかるだろ?
大人なんだから!」
怒鳴り声とともに
真っ赤な三角コーンを
思いきり蹴り飛ばしたから
私の冷や汗も止まらない。
顔を真っ青に染め
飛び出してきたのは、
おじいちゃん監督で
「だから桜牙。
言葉を選べと
いつも言っているだろ!」
と、頭をごつかれていた。
これが3年前。
中3の私が
男らしい桜ちゃんの恋沼に
ハマってしまった初恋のお話。
そしてその初恋は
見ての通り進展なし。
現在も、一方通行の片思い。
初恋拗らせ、継続中なのです。