俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
「桜ちゃんだって……
その……
かっこよすぎだし……」
弱々しい私のつぶやき。
「俺の彼女……
マジで可愛すぎ……」
桜ちゃんは照れたように
前髪をいじりだして
恥ずかしさで
心がくすぐられているからか、
お互い顔を上げられない。
恋愛経験が乏しい
私たちのウブさ加減を、
見ていられなかったのか
「イチャイチャは
私のお店以外で
してくださいね~」
店長は
私たちの目を覚まさせるように
パンパンと手を叩くと
「璃奈ちゃんが幸せで
私も嬉しいよ」
私にお姉さん笑顔をこぼし
「ごゆっくり~」と
調理場に入っていった。