俺の気持ちに気づけよ、バ~カ!


なに俺
ビビってるわけ?


璃奈は俺のことを
好きだと言ってくれた。

俺だけのものになった。

それなのに……

指一本すら
触れられない俺って。

どれだけ璃奈に嫌われるのが
怖いんだよ!!


多分恋愛には
心地いい距離感を保つための
順序とかスピードっつうもんが
あって

その諸々をすっ飛ばし

彼女の部屋で、暴走から
璃奈の唇を奪った俺の罪は

魔法使いが現れないかぎり
消えてくれないわけで……


あぁぁぁぁぁぁぁ。


過去の自分の過ちが、憎い。

璃奈が大事にしていた写真を
俺がビリビリに破り捨てた
数週間前のこともひっくるめの
過ちなんだけど……

深い懺悔が
俺の脳内をかすめるたびに

『璃奈は本当に
 俺なんかを好きなのか?』と

心配が沸き上がってしまう。
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