俺の気持ちに気づけよ、バーカ!

私はお皿をシンクに置く。


泡まみれのスポンジと手を
洗おうと蛇口をひねった時

いきなり後ろから
桜ちゃんに抱きしめられた。


あまりに突然すぎ。

手からスポンジが
ずり落ちていく。


「あいつらのこと
 起こすのや~めた」

「えっ?」

「あいつらが起きてきたら
 できないよな? 
 こういうこと……」



桜ちゃん。
いきなり大胆過ぎだよ。

キッチンで私を
抱きしめるなんて。


そりゃあ、昨日から
同居を始めたって言っても

お互い忙しすぎだし

私は仕事から帰ってきて
家事をしたら
すぐ眠たくなっちゃうし

寝る部屋も別々だし

これからもすれ違い生活で

あまり二人だけで
はいられないとは思うけど……


家族みんなが使う
キッチンなんかで
イチャついていたら……

「おはよって優くんたちが
 入ってきちゃうかもしれないよ」

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