俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
「生きてれば、
ムカつくこともあるわな。
オマエ何言ってんのって
殴りたくなることも、
山ほどあるんだよ」
「……」
「でもな。どんなに
イラつくことがあっても、
人に手を出すな」
「……」
「そのイライラを、言葉に変えろ。
自分の想いを、口から吐き出せ」
「どっ……どうせ……」
「どうせ、なに?」
「どうせ俺の気持ちなんて、
大人は
わかってくれないもん」
「大人全員を
ひとくくりにすんなよ。
亮の気持ちをわかろうと
努力する奴もいるぜ」
「いないよ」
「ほんとオマエは
俺と一緒で頑固なヤツ」
「……えっ?」
「コーチの俺が、
亮がキレたいきさつを
聞いてやるって言ってんの」
にんまり笑顔で、
亮くんの髪をワサワサ
かき乱した桜牙コーチ。
自分の気持ちを
わかってくれようしているのが、
嬉しかったみたい。
「さっきコーチ、
すっげー怖い顔で怒ったじゃんか」
口を尖らせてはいるものの
瞳は満足そうに揺れている。