【コミカライズ】騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
 シャーロックと違う人と結婚することになるんだから、心の負担は計り知れなかった。それはもう、自分の中では覚悟出来ていたはずだけど。誰よりも大事な彼と別れた時と同じように、まるでこの身まで二つに切り裂かれそうになる。

 けれど、自分で決めたことだと何回も何回も繰り返し自分に言い聞かせた。

 ここで私が逃げてしまったら、今までの何もかも全てが水の泡になってしまう。

「……お祖父様……私……大丈夫だから……泣かないで」

 こんな時に、悲しみで泣かせたくはなかった。出来たら、喜びで泣いて貰いたかった。

 これまで幾度も気持ちのすれ違いはあろうとも、幼い私をここまで育ててくれたのは他でもないお祖父様だ。彼から向けられていた愛がもう見えてしまった今、もし私がシャーロックと結婚出来ていたなら心からきっと喜んでくれただろうと思う。

 今ではもう、何もかもが幻となってしまったけれど。

 すっかり白くなってしまった頭を俯かせたお祖父様に、声を掛けようとしたその時に扉は叩かれた。

「時間です」

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