【コミカライズ】騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
 扉を開けた式場の担当者に短く告げられ、今まで黙って私たち二人のやりとりを見守り、傍に控えていた身支度担当の女性に白いヴェールを前に垂らされた。

 その言葉の通り、時間だった。ブレアさんは本当に周到で、私はとある男性と結婚した後に船に乗り大陸へと移り住むことになる。簡単には決して彼に会えないところへと行ってしまう。

 我慢出来ずに涙は溢れ、美しいレース模様で紗のかかったヴェールの向こう側はより一層見えなくなってしまった。教会の中にも、なぜか申し訳程度の数だけど人は居た。ブレアさんが用意した見張りの人だろうか。こんなに重いドレスを着て、私は何処にも行けないというのに。

 ぐずぐずと鼻を鳴らして、情けないくらいに泣いてしまった。シャーロックに別れを告げて彼が去ってしまったあの時から、私の涙腺はもう働いてない時はないんじゃないかと思うくらいにずーっと働いている。働き過ぎて、労わってあげたい。

 ゆっくりゆっくり歩を進めて、その場所へと辿り着いた。

 私は、隣に居るその人の顔を見なかった。

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