私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。

辿り着いたのは、いつかも2人で身を隠した校舎裏。


「びっくりしたねぇ! まさか、先生と宝城先輩が親子だったなんて」

「……光峰さん」

「なんてね。……あはは、ばれちゃったなぁ、私の秘密」


「……もう一度、今度は深月に面と向かって言いたい。

俺、深月のことが好きだ。

好きなものに、……好きな人にまっしぐらな深月のことが、好きなんだ」

「……っ!」


改めて言われ、顔が朱に染まる。

これは紛れもない、告白ってやつだ。


「……フリじゃなくて、本当に俺と付き合ってほしい」


真剣な言葉に、表情に、胸が高鳴る。


「……私は…………」


私は……優星くんのことが…………。

…………。


「……ごめんなさい」


その言葉が出てきたことに、自分でも驚いた。
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