私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
「仮に久我山くんが深月狙いでも、深月が困ってないならいいや」

「いやいや。それはないからね?」


私の裏の顔を知ってる久我山くんが、私を好きになるなんて、絶対にない。

陽菜はつまらなそうに目を細めた。


「あ〜あ。期待してたのになあ、イケメン転校生。
久我山くん確かにイケメンだけど、シュッとしすぎてて、アタシのタイプとはちょっとズレるんだよね〜。
アタシはもっと子犬系の顔が好きだから」

「あー……陽菜の好きなアイドル、確かに可愛い系ばっかりだもんね」

「そうそう! ピュアな子が頑張ってる姿に弱いんだよねー。
今はデビュー前のジュニアですっごく気になる子がいてさ────」



アイドル方向に陽菜の話がズレて、私はホッとした。

久我山くんと私の関係は、絶対に秘密にしないといけない。

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