優しくない同期の甘いささやき
「期待させといて、寝るとかあり得ないだろうが……まあ、美緒らしいよな」

「そんなのを私らしいと言われてもね」

「まあさ、今日1日時間はたっぷりあるから、いつでもよろしく」

「よろしくって、何を?」


何のことを言っているのか、わからなかった。

熊野は呆れ顔で答える。


「キスに決まっているだろ。朝でも昼でも受け付けてやるよ」

「はあ? ちょっと、何言ってるのよ」


私が困惑すると熊野は大笑いした。

また、からかわれた?

熊野はベッドから降りて、私に手を差し出す。

私はそれを無視した。


「とりあえず、朝ごはんを食べるか? パンでいい?」

「うん」

「目玉焼きとオムレツ、どっちが食いたい?」

「ふわふわのオムレツ、食べたい」


オムレツと聞いて、お腹が鳴りそうになった。熊野は「了解」と言い、洗面所へと私の手を引く。

交互に顔を洗ってから、キッチンに入る。ボウルと卵を渡された、


「割るくらい出きるよな?」

「うん。あ、私オムレツ、作れるよ」

「ほんとか?」


熊野は疑いのまなざしを向けてきた。
< 114 / 172 >

この作品をシェア

pagetop