月夜に笑った悪魔 SS
鏡に映るのは、気のせいか顔を少し赤くした彼。
……いや、気のせいじゃない?
これは、もしかして……
「照れてる?」
思ったことが声に出てしまう。
「……急なんだよ、おまえは」
ぼそっと小さくつぶやく。
……おぉ。
レアだ、レア。
暁が照れるのはすっごくレア。
いつも私ばっかり『顔真っ赤』とか言ってからかわれるから、こういうのは新鮮だ。
「暁は可愛いね」
「……早く泡流せよ」
催促されて、私は笑いながら泡をぜんぶ流した。
そのあとに暁は立ち上がって、浴槽へと入ろうとする。
そこで、今さら疑問に思ったこと。
「骨折した時って浴槽入っても大丈夫なの?」
骨とか血管に悪いとか……ない?
普通に入ろうとしてるけど大丈夫?
暁がお医者さんになんて言われたのかはわからない。