偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
「小鳥遊本家の当主は皆名前に『敬』の字が入るのよ」
「そうなんですか?」
まったく知らなかった。
「主人の名前は『敬史』だし、おじいさまは『敬太郎』っていうのよ」
へー。
そうなんだ。
「敬也君、素敵な名前ね」
「ありがとうございます」
敬也をほめられるのはやっぱりうれしくて、笑顔になった。
「私に子供がいたら、その子が男の子だったら、『敬』の字をつけるはずだったのよ。残念ながら子供には恵まれなかったけれど敬君がこの家に来てくれて、私は本当にうれしいの」
「奥様」
敬はこの家にいるべき人。
小鳥遊の家を守るべき人。
それはきっと、お兄ちゃんが高城の家を継ぐのと同じこと。
「できれば敬也君と真理愛さんもここにいてくれたら私はとっても、」
「やめなさい」
突然障子が開き、副院長が入ってきた。
「だって、あなた」
奥様はまだ何か言いたそうにしているけれど、
「色々言うんじゃない。二人で決めるしかないんだから」
副院長先生は厳しい表情で奥様を止めている。
「真理愛さん、今日はゆっくり休んで敬とよく話をしなさい」
「はい」
しばらくして奥様と副院長先生は部屋から出て行き、敬が入ってきた。
「そうなんですか?」
まったく知らなかった。
「主人の名前は『敬史』だし、おじいさまは『敬太郎』っていうのよ」
へー。
そうなんだ。
「敬也君、素敵な名前ね」
「ありがとうございます」
敬也をほめられるのはやっぱりうれしくて、笑顔になった。
「私に子供がいたら、その子が男の子だったら、『敬』の字をつけるはずだったのよ。残念ながら子供には恵まれなかったけれど敬君がこの家に来てくれて、私は本当にうれしいの」
「奥様」
敬はこの家にいるべき人。
小鳥遊の家を守るべき人。
それはきっと、お兄ちゃんが高城の家を継ぐのと同じこと。
「できれば敬也君と真理愛さんもここにいてくれたら私はとっても、」
「やめなさい」
突然障子が開き、副院長が入ってきた。
「だって、あなた」
奥様はまだ何か言いたそうにしているけれど、
「色々言うんじゃない。二人で決めるしかないんだから」
副院長先生は厳しい表情で奥様を止めている。
「真理愛さん、今日はゆっくり休んで敬とよく話をしなさい」
「はい」
しばらくして奥様と副院長先生は部屋から出て行き、敬が入ってきた。