追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~
「お待ちください国王陛下。我々も騙されていたのです。モニカに」

「えっ!?」

導師に指をさされてモニカは目を見開いた。

精霊憑きで生まれた子供は親元から離され、修練所という教会の施設で暮らし教育される。

決していい環境ではないのだが、水の力を持つモニカだけは部屋も食事も特別待遇で、導師をはじめとした聖職者たちはいつもモニカを可愛がってくれた。

それなのに今、導師がモニカのせいにしようとしているから、ロッドが光らなかったことよりも強いショックを受けた。

他の教会幹部らも口々に同調する。

「その通りにございます。モニカは夢でアグニス様に国を守れと言われたなどと、いかにも自分が次代聖女と誤認させるような言動をとる子供でした」

「最近では、ロッドを握れば必ずや覚醒できるなどとうそぶいておりました。我々はすっかり信じていたのでございます」

子供の頃、モニカの夢にアグニスが出てきたことが確かにあったが、それは毎日嫌になるほど聖女伝を読まされ、『お前が国を救うのだ』と言い聞かされたせいだろう。

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