追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~
聖女への覚醒についても、『ロッドを握れば光るんですよね?』と確認しただけであり、必ず覚醒すると言った覚えはない。

むしろこんなに弱い魔力の自分が聖女になっていいのかと心配していたほどである。

(どうして私ひとりのせいにするのよ!)

それはルビウス三世が激高しやすい性格だからだろう。

聖職者たちは揃って保身に走ったのだ。

怒り心頭に発する国王がモニカに対し声を荒げる。

「聖女のなりそこないがいつまで祭壇にいるつもりだ。さっさと下りて聖堂から出ていけ。いや国からもだ。わしを欺いたモニカに国外追放を命じる!」

「そんな……」

モニカはショックのあまり、膝から崩れ落ちた。

次代聖女だともてはやしてその気にさせ、違うとわかった途端に随分とむごい仕打ちをする。

(これからどうやって生きていけというの?)

モニカの体は震え、目には涙が溢れる。

その時、クックと笑う場違いな声が響いた。

皆の注目の中で立ち上がったのはシュナイザーだ。

憤怒の表情であったルビウス三世が、途端に焦り顔になる。

招いておきながらこの顛末かと、大国の皇帝に嘲笑されたように感じたのだろう。

< 12 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop