契約結婚のススメ
『枇杷亭のお嬢さんと結婚するんでしょ? 私に枇杷亭をちょうだい』

 その後伯父に確認すると、伯父は開き直った。

『なんですか、この映像は』

 泣き叫ぶ美加の服を剥ぎ取り――。

 美加は女優が、映像が演技かどうかなんて本人以外に証明のしようがない。

『プレイだよ。美加にこうしてくれって言われて』

 続く伯父の下卑た薄笑いを思い出すと、はらわたが煮えくり返る。

 対価に贈った宝石は口止めだと言われたらそれきりだ。映像に伯父の顔ははっきり映っていた。相手が美加だろうが誰だろうが、それだけでおしまいだ。あの映像がある限り、訴えられては勝ち目がない。

『金ならいくらでも用意する、すまんな、頼むよ一貴』

 ふざけるなと一喝できればよかったが、ややこしいのは美加と希子さんが身内だったことだ。

『私たち本当に縁があるのね』と美加は笑った。

『おばさまがね、私に女将にならないかって誘ってくれたの』

 美加について調べた。

 希子さんと違って美加の家は資産家ではない。

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