契約結婚のススメ
【陽菜がしばらく家にいたいと言っています。その件で、私と一貴さんのふたりだけで話をしたいのですが、お時間とってもらえますか】

 しばらく実家に?

【わかりました。スケジュールを確認して電話します】

 早速森下に頼んで時間の調整をつけた。

 ちょうど今日の午後横浜で打合せがある。とにかく話を聞かなければ。


 希子さんとはホテルのラウンジで待ち合わせた。

 挨拶も早々に真剣な表情になる。

「あまり時間がないから単刀直入に聞くわね。一貴さん、美加とはどういう関係なの?」

「なにもありません。もしネットで出回っている記事の件でしたら、今朝対策を指示したところです」

「そう……。私はあなたと美加はかつて青扇でクラスメイトだった友人だと聞いていたの。それは信用していいのね?」

「はい。クラスメイトであり、仕事上の付き合いはありますが、それだけです」

 希子さんは、ホッとしたように肩を落とした。

「美加は私の身内なのはご存じでしょう?」

「ええ。結婚を機に知りました」

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