御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
本人にその自覚はまるでないが、菫はかなり美人だ。

形のいい輪郭に大きな目とすっと通った鼻筋は少しクールな印象を与えるが、どの角度から見ても、どんな表情を浮かべても、目を引くほど美しいのだ。

それを意識しないどころか自分に自信のないあやうい雰囲気がさらに彼女の美しさを強調している。


「私の顔? あ、やっぱり変? そりゃ黎君の隣に並べるレベルじゃないのはわかってるけど。でも、たとえつり合わなくても黎君と離れたくないし」

なにを勘違いしているのか泣き言を口にする菫を目の前にし、黎はたまらないとばかりにため息を吐く。

「離れたくないって言ったよな。その言葉忘れるなよ」

黎は菫の顎に指を差し入れ上を向けると、小さなリップ音を響かせキスを落とした。

「あ……」
 
突然のことに身体を震わせつつも、菫は素直に黎のキスを受け入れる。

柔らかな唇から伝わる熱に、菫の全身が喜んでいる。

黎は菫の反応を見ながら繰り返ししっとりとしたキスで菫の唇を塞ぐ。

そしてどちらからともなく漏れ聞こえる声に促され、ふたりは互いの身体に腕を回し隙間なく寄り添った。

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