御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
「すぐにでもキスしたかったのに電話が入ったせいで……」

「あ……んっ」

黎は菫の後頭部に手を回し、角度を変えながら何度もキスを重ねる。

「あ、あの……黎君……あっ」
 
下唇を優しくなめられて、菫の唇から甲高い声があがる。

恥ずかしくても全身を駆け抜けた鋭い刺激のせいで我慢できなかった。

「いい声。この一週間、菫を抱きしめたくてたまらなかった」

黎は吐息混じりの声でそう言いながら、菫の存在を確認するようにじっくりと菫の顔中にキスを落としていく。
 
唇で輪郭をたどり、合間に菫の瞳を覗きこんでは安心したように目を細める。

かと思えばふと不安げに瞳を揺らし、なにかに駆られるように激しいキスを繰り返す。

「菫がここにいる……夢じゃないんだよな」

荒い呼吸の合間、黎は願うようにつぶやいている。

「俺の……俺の菫。ずっとこうしたかったんだ」
 
声を絞り出しそう告げた黎は、たまらないとばかりに菫をかき抱いた。

「……んっ」
 
いきなり黎の胸に押しつけられた菫は、小さく咳きこみ黎の身体にしがみついた。

その間も黎の手の動きが止む兆しは見えない。

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