御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
黎の口からも気持ちよさそうな吐息が漏れ、さらに腰の動きが力強く、そして速さを増していく。

「やあっ……んっ」

「菫っ」

ふたりの苦しげな声が部屋に響き同時に果てると、菫は胸を上下させ、深い呼吸を繰り返した。

狭いソファの上、全身をくまなく密着させ抱き合う。

少しでも動くとラグの上に落ちてしまいそうで、菫はその不格好さにおかしくなる。

ふたりともあまりにも夢中でベッドに移る時間も惜しんで愛し合っていたのだ。

「なに笑ってる? 余裕だな」

そう言っている黎もくっくと笑いながら菫の顔中にキスを落としていく。

「愛してるよ」

その言葉。そして菫を愛しげに見つめる表情だけで、菫は力が湧いてくるのを感じる。

黎と想いを通じ合わせてから一カ月以上が経ち、与えられるばかりでは物足りなくて、菫は自らも顔を寄せて黎のキスに応えた。

口に出すのはまだ照れくさい、愛しているという想いをこめて。




翌朝菫がベッドで目を覚ましたとき、すでに黎の姿はなかった。

ここ最近黎の朝は早く、毎朝六時には家を出ている。

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