御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
会社の業務自体は二十四時間体制で動いているらしく、夜中や休日にも電話で呼び出されることがある。

三年ほど前に金融系のシステムを担当するようになってからはとくに忙しいそうだ。

「起こしてくれてもよかったのに」
 
広いベッドにひとりでいるのはかなりさびしい。

菫は昨夜愛された名残を身体の至る所に感じながら起き上がる。

「あ……」
 
一瞬視界が揺れ、菫はベッドに両手を突いた。

昨夜もそうだが最近あまり食べていない。だから貧血を起こしているのかもしれない。

昨夜はどこで黎のスイッチが入ったのかわからないが、散々抱かれ、おかげで今も眠たくてたまらない。
 
菫は出勤の準備をしようと気合いを入れ、ゆっくりとベッドから降りる。

その途端、足元がふらつき倒れこむように再びベッドに腰を下ろす。

目眩だけでなく吐き気もあり、身体は熱っぽい。

菫は再びベッドに身体を横たえ、ひとまず吐き気と目眩が治まるのを待つことにした。

「黎君」

ひとりで寝るにはあまりにも広すぎるベッドはさびしいだけでなく不安も感じる。

黎と暮らし始めて一カ月半。

あっという間に菫の心は弱くなってしまった。
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